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こんにちは。草加市議会議員の斉藤雄二です。
全4回でお伝えしてきた「令和7年度草加市決算」の最終回です。
令和7年度は、一般会計と特別会計を合わせた単年度収支が4億9,398万円の黒字となりました。
市税収入は前年度より約25億円増加し、ふるさと納税などによる寄附金も増えました。市立病院の損失額も大幅に縮小しています。
その一方で、水道・下水道・市立病院の経営、公共施設の老朽化、少子高齢化など、中長期的な課題は厳しさを増しています。
最終回は、今後の草加市が何を優先すべきか考えます。
10年間で子どもの人口が18.6%減少
監査委員の意見書では、草加市の直近10年間の人口変化が示されています。
- 総人口 2.6%増加
- 年少人口 18.6%減少
- 生産年齢人口 5.7%増加
- 高年者人口 6.0%増加
草加市の総人口は増加していますが、0歳から14歳までの年少人口は18.6%減少しています。
さらに10年後には、総人口が0.6%、年少人口が13.3%、生産年齢人口が2.4%減少する一方、高年者人口は9.8%増加すると見込まれています。
税収を支える世代が減少する一方で、医療、介護、福祉などの需要は増加する可能性があります。
現在の人口が約25万人であることだけを見て、「草加市は人口が減っていないから大丈夫」と考えることはできません。
今後必要になる大きな支出
草加市では、今後、次のような事業に多額の財源が必要になります。
- 老朽化した学校の建て替え・改修
- 公共施設の更新・統廃合
- 水道管、下水道管の更新・耐震化
- 新田駅東西口の土地区画整理事業
- 豪雨や地震への備え
- 公共交通の確保
- 空き家対策
- 高齢化に伴う医療・介護・福祉への対応
いずれも、市民生活に欠かすことのできない課題です。
しかし、財源には限りがあります。すべての要望を同時に実現することは困難です。
だからこそ、「何を優先し、何を見直すのか」を明確にしなければなりません。
第1の課題は、事業総点検の見える化
草加市は令和7年度、「事業総点検」の結果を踏まえ、事業内容の精査や見直し、歳入確保に向けた検討を行いました。
経常経費の抑制や、ふるさと納税受入額の増加など、一定の成果も見られます。
一方、市民から見ると、
「どの事業を見直したのか」
「どれだけ経費を削減できたのか」
「市民サービスにどのような影響があったのか」
が十分に見えない部分もあります。
事業総点検を単なる庁内作業で終わらせず、その結果と効果を市民に分かりやすく示す必要があります。
第2の課題は、黒字を将来への備えにつなげること
単年度収支が黒字になったことは評価できます。
しかし、収支が改善した年度に新しい事業を次々と始めれば、翌年度以降も継続的な支出が必要になります。
新しい事業を始める場合には、
- 初年度にいくらかかるのか
- 翌年度以降、毎年いくらかかるのか
- 将来にわたって財源を確保できるのか
- 同じ財源を使って優先すべき事業はないのか
を明らかにする必要があります。
一時的な黒字を使い切るのではなく、公共施設やインフラの更新、災害対策など、将来の負担を軽減するために活用する視点が重要です。
第3の課題は、施設更新の優先順位を決めること
草加市には小・中学校をはじめ、多くの公共施設があります。
これらの施設は同じ時期に整備されたものも多く、今後、更新時期が集中する可能性があります。
老朽化した施設をすべて同じ形で建て替えることができるのか。施設の複合化や機能の集約を検討する必要があるのか。
将来の人口構成や地域の状況を踏まえ、早い段階から方針を示す必要があります。
対応を先送りすれば、施設の劣化が進み、結果的に修繕費や更新費が膨らむことも考えられます。
第4の課題は、市民生活に直結する事業を守ること
財政が厳しいからといって、市民生活に必要な事業を一律に削減すべきではありません。
私は、特に次のような事業を重視すべきだと考えています。
- 市民の生命と安全に関わる事業
- 子どもの教育や成長に関わる事業
- 高齢者や障がい者など、支援を必要とする人を支える事業
- 先送りすると将来の負担が大きくなる事業
- 市民の時間や手続きの負担を減らす行政改革
単に予算額を減らすことが行政改革ではありません。
同じ費用でも、より大きな効果を生み出せるように仕事の進め方を変えることも、行政改革です。
黒字か赤字かだけでは判断できない
令和7年度決算は、市税や寄附金の増加、単年度収支の黒字、市立病院の損失縮小など、前年度より改善した点がありました。
一方で、その改善には一時的な要因も含まれています。
また、水道・下水道・市立病院の経営、学校や公共施設の老朽化、少子高齢化への対応など、将来に向けた課題は残されています。
決算は、過去に使ったお金を確認するだけのものではありません。
決算から課題を見つけ、次の予算や政策に反映させることが重要です。
私は、必要な市民サービスを守りながら、事業の効果と優先順位を検証し、将来に負担を先送りしない財政運営を求めていきます。
全4回にわたりお読みいただき、ありがとうございました。
※数値及び将来人口の推計は「令和7年度草加市決算審査意見書」に基づいています。


