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こんにちは。草加市議会議員の斉藤雄二です。
全4回でお伝えしている「令和7年度草加市決算」の第3回です。
今回は、市民の命と暮らしを支える市立病院、水道、下水道の経営状況を取り上げます。
いずれも市民生活に欠かせない事業ですが、その経営環境は厳しさを増しています。
市立病院の損失は大幅に縮小
令和7年度の市立病院事業は、事業収益141億5,504万円に対し、事業費用は143億5,879万円となりました。
差し引き2億374万円の純損失です。
赤字であることに変わりはありませんが、前年度と比べると、損失額は9億6,505万円、率にして82.6%減少しました。
病床利用率は76.2%となり、前年度より4.8ポイント上昇しました。
患者数については、外来患者数が減少した一方、入院患者数は増加しています。年間延べ患者数全体では29万2,659人となり、前年度より3,456人増加しました。
入院・外来収益も前年度より増加しており、病院職員が一丸となって経営改善に取り組んだ成果が表れています。
経営改善だけでは安心できない
市立病院は、令和7年3月で土曜日の一般外来診療を終了しました。
医療従事者の負担軽減を進める中でも、外来収益は増加しています。紹介受診重点医療機関として、地域の医療機関との役割分担が進んだことも要因として考えられます。
一方で、市立病院の資金状況は極めて厳しい状態です。
年度末の資金残高は4億2,921万円ですが、この中には一時借入金の借り換えとして3億円が含まれています。
実質的な資金余力は、約1億3,000万円にとどまります。
病床利用率を上げても、物価や人件費がそれ以上に増加すれば、財政基盤の安定には直結しません。
市立病院単独の努力だけで解決することが難しい課題もあります。市や地域の医療機関、退院後の患者を受け入れる医療・介護施設などとの連携が必要です。
水道は1立方メートル当たり13円60銭の原価割れ
令和7年度の水道事業は、5,530万円の純利益を確保しました。
しかし、前年度より3,748万円、40.4%の減益です。
水道水1立方メートル当たりの収入と経費を比べると、次のようになります。
- 供給単価 146円98銭
- 給水原価 160円58銭
- 差額 マイナス13円60銭
水道水を供給するために160円58銭かかっているのに対し、料金収入は146円98銭しかありません。
この原価割れは以前から続いており、前年度のマイナス10円40銭から、さらに3円20銭悪化しました。
水道事業全体では純利益を計上していますが、本来の水道料金収入だけでは必要な経費を賄い切れていない状態です。
耐震化は進んでいるが、資金は減少
草加市の水道施設や管路の耐震化率は42.9%となり、前年度より0.3ポイント上昇しました。
耐震化が着実に進められていることは評価できます。
一方、水道事業の年度末資金残高は53億8,702万円で、前年度より1億1,258万円減少しています。
今後も、水道管の老朽化対策や耐震化を進めなければなりません。現在の料金体系を続けた場合、必要な更新費用を将来にわたって確保できるのかが課題です。
下水道は1億7,989万円の純損失
公共下水道事業は、令和7年度に1億7,989万円の純損失を計上しました。
前年度と比べると、3億3,910万円の減益です。
下水道の使用料と処理費用を1立方メートル当たりで比較すると、次のようになります。
- 汚水処理原価 116円73銭
- 使用料単価 101円81銭
- 経費回収率 87.2%
使用料収入だけでは、汚水処理費用を賄えていません。
下水道は、快適な生活環境を守るだけでなく、大雨による浸水被害を防ぐためにも重要な施設です。
しかし、今後は耐用年数を超える下水道管やポンプ場が増えていきます。
料金改定の前に、丁寧な情報公開を
水道と下水道の経営状況を考えれば、将来的に料金体系の見直しが議論される可能性があります。
しかし、初めから料金改定ありきで進めるべきではありません。
まず市が示すべきなのは、次の内容です。
- 現在の経営状況
- 今後必要になる施設更新費用
- 更新を先送りした場合の影響
- 経営努力によって削減できる経費
- 料金を見直す場合の市民負担
- 低所得世帯などへの配慮
市民生活に直結する問題だからこそ、分かりやすい情報公開と丁寧な説明が必要です。
次回は、少子高齢化や公共施設の老朽化を踏まえ、草加市が次年度以降、何を優先すべきか考えます。
※数値及び事業内容は「令和7年度草加市決算審査意見書」に基づいています。

