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こんにちは。草加市議会議員の斉藤雄二です。
9月定例会で行った一般質問について、テーマごとにご報告しています。
今回は「終活に関するサポート事業」についてです。
「終活」という言葉を聞くと、葬儀やお墓、相続など「亡くなるための準備」というイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。しかし、私はもっと広い意味で考えています。
もし自分が病気や事故などで意思を伝えられなくなったとき、
「誰に連絡してほしいのか」
「かかりつけの病院はどこなのか」
「大切な書類をどこに保管しているのか」
「葬儀や納骨をどうしてほしいのか」
こうした自分の希望を、誰かにきちんと伝えてもらえるでしょうか。
特に一人暮らしの方や、身近に頼ることのできる親族がいない方にとっては、とても重要な問題です。
そこで今回、草加市の終活支援を一歩進めるため、相談窓口や「終活情報登録制度」、身寄りのない方への支援について一般質問で取り上げました。
草加市でもエンディングノートを配布しています
草加市でも、すでに終活に関連した取り組みを行っています。
市の答弁によると、介護予防や健康づくりに役立つ情報などを掲載したエンディングノート「私のいきいき元気ノート」は令和5年度から作成・配布され、これまでの配布数は7,000部を超えています。
さらに、住まいに関する情報を整理する「おうちのエンディングノート」も令和6年度から配布され、こちらも1,000部を超えています。
市も、自分の意思や希望をあらかじめ整理して残しておくことは、家族などの負担軽減だけでなく、本人の意思を尊重する上でも有意義だと認識しています。
今後も人生会議(ACP=アドバンス・ケア・プランニング)の出前講座やイベント、講演会などを通じて周知していくとの答弁でした。
これは大切な取り組みです。
しかし私は、「ノートを配る」だけでは解決できない問題もあると考えています。
「終活について、どこに相談すればいいの?」
終活には、さまざまな問題が関係します。
医療や介護だけではありません。
遺言、相続、成年後見、財産管理、葬儀、お墓、住まい、家財整理など、多くの分野にまたがります。
市民の立場からすると、
「これは市役所に相談することなのか」
「司法書士なのか」
「弁護士なのか」
「地域包括支援センターなのか」
そもそも、どこに相談したらいいのか分からないこともあると思います。
もちろん、市役所がすべてを直接解決する必要はありません。
まず相談を受け、相談内容に応じて地域包括支援センターや社会福祉協議会、弁護士、司法書士、行政書士など、適切な専門家や機関につなぐ。
そんな「終活の総合案内窓口」があれば、市民にとって大きな安心につながるのではないでしょうか。
そこで今回、終活について気軽に相談できる窓口を設け、関係機関と連携した支援体制をつくることを提案しました。
市も「総合的に相談できる窓口」を検討へ
この提案に対して、市から一歩踏み込んだ答弁がありました。
地域包括支援センターや草加市社会福祉協議会が運営する成年後見支援センターなど、既存の相談機関との役割分担を考えながら、民間の高齢者等終身サポート事業についての情報提供も含め、
「市民が終活に関して総合的に相談できる窓口」
のあり方や、関係機関・民間事業者などと連携した支援体制の構築について検討していくとのことです。
終活は一つの部署だけで完結する問題ではありません。
だからこそ、「まずここに相談すればいい」という入口をつくることには大きな意味があると思います。
「終活情報登録制度」を草加市にも
そして今回、特に実現してほしいと考えて提案したのが「終活情報登録制度」です。
これは、自分に万が一のことがあった場合に備えて、
・緊急連絡先
・かかりつけ医
・エンディングノートの保管場所
・遺言書の有無や保管場所
・希望する葬儀や納骨方法
・その他、本人が伝えておきたいこと
などを、本人の希望に基づいてあらかじめ登録しておく仕組みです。
例えば、一人暮らしの方が外出先で倒れ、意思を伝えることができなくなった場合。
あるいは、誰にも看取られず亡くなった場合。
こうしたときに、本人が事前に登録した情報を確認できれば、連絡してほしい人や本人が残していた希望につなげることができます。
本人にとっても、
「もしもの時にも、自分の希望を伝える方法がある」
という安心につながります。
市も「有益な仕組み」と答弁
この「終活情報登録制度」について、市は、
病気や事故などで意思表示ができなくなったときや万が一のとき、家族や支援者などに必要な情報を伝えられる仕組みは、
「本人の意思決定支援の観点からも有益」
と答弁しました。
その上で、国の制度設計や先進自治体の取り組みを参考にしながら、
・どのような情報を登録するのか
・その情報をどう管理するのか
・必要なときに誰へ、どのように提供するのか
など、「終活情報登録制度」のあり方について整理していくとのことでした。
すぐに制度化するという答弁ではありません。
しかし、制度そのものの有用性を認め、具体的な仕組みを整理していくという方向が示されたことは、今後につながる答弁だと受け止めています。
身寄りのない方を誰が支えるのか
そして、もう一つ大きな問題があります。
身近に頼ることのできる親族がいない方への支援です。
これまで社会のさまざまな仕組みは、家族や親族がいることを前提として成り立ってきました。
しかし、単身世帯が増え、家族のあり方も変化しています。
例えば入院するとき。
施設に入るとき。
亡くなったとき。
家族がいれば当たり前のように行われていることでも、身寄りのない方の場合、
死亡時の連絡、葬儀、火葬、遺骨の引き取りや納骨、住居の明け渡し、家財の処分、公共料金や各種契約の解約など、多くの手続きが残ります。
では、それを誰が行うのでしょうか。
本人だけの問題ではありません。
医療機関や介護施設、家主、地域、そして最終的には行政にも関係する問題です。
私は、これからの地域社会にとって非常に大きな課題になると考えています。
市も「既存の制度だけでは支援に限界」
この点についても、市から重要な答弁がありました。
市は、身寄りのない高齢者が抱える課題について、
「既存の制度や取り組みだけでは支援に限界がある」
との認識を示しました。
そして、公的な関与のもとで民間を含む多様な主体が支える仕組みを検討する必要があるとしています。
今後は、司法書士などの専門職、NPO法人、金融機関、不動産事業者、葬儀事業者など、市内で終身サポートに関わるさまざまな主体と意見交換しながら、相談窓口や終活情報登録制度も含め、頼れる人や身寄りのない高齢者に対する支援体制の構築を進めていくとの答弁でした。
「家族がいること」を前提にしない仕組みへ
私は、ここがこれからの終活支援を考える上で、とても重要だと思っています。
「何かあったら家族に連絡してください」
「ご家族に手続きをお願いしてください」
これまでは、それで成り立ってきた制度もありました。
しかし、すべての人に頼れる家族がいるわけではありません。
親族がいても、遠方に住んでいたり、さまざまな事情で頼ることが難しかったりする場合もあります。
だからこそ、
「家族がいること」
を前提としなくても、安心して暮らしていける仕組みをつくっていく必要があります。
終活は「最期」だけの話ではありません
終活という言葉から、どうしても「死」をイメージしてしまいます。
しかし、本来は自分がこれからどう生きたいのかを考えることでもあります。
自分が大切にしていることは何か。
病気になったときにどうしてほしいのか。
誰に連絡してほしいのか。
自分の財産や住まいをどうしたいのか。
そして、最期をどのように迎えたいのか。
元気なうちに自分で考え、自分の意思を残しておく。
そして、もし自分で意思を伝えられなくなったとしても、その希望を誰かにつないでもらえる。
そんな仕組みがあれば、年齢や家族構成にかかわらず、安心して暮らすことにつながるのではないでしょうか。
今回の一般質問では、市から「総合的に相談できる窓口」「終活情報登録制度」「身寄りのない方への支援体制」について、それぞれ検討していく方向が示されました。
大切なのは、ここから実際の仕組みにつなげていくことです。
誰にも頼れないことが、そのまま不安につながらない草加市へ。
今後も市の検討状況を確認しながら、具体的な制度につながるよう取り組んでいきたいと思います。

