この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。
こんにちは。草加市議会議員の斉藤雄二です。
近年、夏の暑さは厳しさを増しています。
熱中症というと、屋外で活動しているときに起こるイメージがあるかもしれません。
しかし、実際には自宅などの室内で熱中症になる方もいます。
一方で、エアコンの価格が高くなり、必要なのに購入できない方がいることも報道されています。
こうした状況を見て、私はエアコン購入費への支援を議会で取り上げる必要があると考えました。
エアコンは、もはや単なる家電製品ではなく、命を守るための生活必需品です。
草加市でも、室内で熱中症になる方がいます
今回の一般質問では、草加市内における熱中症による救急搬送の状況を確認しました。
市の答弁によると、救急搬送者数は次のとおりです。
- 2023年度:167人
- 2024年度:124人
- 2025年度:162人
2025年度の162人のうち、54人が住居内で熱中症を発症していました。
つまり、救急搬送された方の約3人に1人が、住宅の中で熱中症になっていたことになります。
この数字からも、室内の暑さ対策が重要であることが分かります。
特に高齢者は、暑さや喉の渇きを感じにくい場合があります。
エアコンが故障していても買い替えられない。購入費が高く、設置をためらっている。電気代が気になって使用を控えてしまう。
そうした事情が、健康や命に関わる問題につながる可能性があります。
草加市の助成制度は約2か月で受付終了
草加市では、2026年度に「省エネ家電買い替え促進事業補助金」を実施しました。
省エネ性能の高いエアコンや冷蔵庫への買い替えに対して、条件に応じて4万円または5万円を補助する制度です。
5月8日に受付が始まりましたが、7月6日には受付が終了しました。
約2か月という短い期間です。
議会で確認したところ、エアコンの申請件数は458件、交付決定見込みは453件、金額は1,846万円とのことでした。
冷蔵庫についても536件の申請がありました。
市は、想定を大きく上回るペースで申請があったことから、市民の関心や反響は非常に大きかったと答弁しています。
また、受付終了後も多くの問い合わせがあり、事業再開に向けた追加補正予算案を提出しているとの説明がありました。
省エネ家電への買い替えを希望する方が多いことがうかがえます。
しかし、現在の制度には課題もあります
今回の補助制度には、いくつかの条件がありました。
まず、現在使っているエアコンからの買い替えが対象で、新たにエアコンを設置する場合は対象外でした。
また、エアコン本体の価格が税抜き10万円以上であることが条件となっていました。
設置工事費やリサイクル費用も補助対象には含まれていません。
さらに、購入後に補助金を申請する仕組みのため、利用者は最初に購入費用を全額用意する必要がありました。
私は、ここに課題があると考えています。
エアコンが設置されていない世帯や、故障しても買い替える余裕がない世帯こそ、支援を必要としている場合があります。
それなのに、最初にまとまったお金を用意できなければ補助制度を利用できない。
こうした仕組みは、改善する余地があるのではないでしょうか。
2027年度からエアコンの省エネ基準が変わります
もう一つ気になっているのが、2027年度から家庭用エアコンの省エネ基準が引き上げられることです。
いわゆる「2027年問題」と呼ばれるものです。
新しい省エネ基準に対応することで、エアコンの省エネ性能の向上が期待されます。
一方で、製品価格が上昇する可能性も指摘されています。
なお、2027年度から基準を満たさないエアコンが一律に販売禁止になるということではありません。
ただ、省エネ性能が向上し、将来の電気代が安くなるとしても、購入時の費用を用意できなければ、エアコンを設置することはできません。
私は、今後の価格動向も見据えながら、購入時の負担を軽減する仕組みを考える必要があると思っています。
東京都のように、購入時に直接値引きする仕組みを
そこで議会では、東京都の「東京ゼロエミポイント」を参考にした制度を提案しました。
東京都では、対象となる省エネ家電を登録販売店で購入すると、その場で値引きを受けられる仕組みがあります。
議会で取り上げた通常のエアコン買い替えの場合、条件に応じて9,000円から2万3,000円の値引きが行われています。
購入後に補助金を申請するのではなく、購入時に支払う金額そのものが少なくなります。
これなら、最初に用意するお金を減らすことができます。
私は、草加市でも所得制限を設けず、全市民を対象に、販売店で直接値引きを受けられる制度を検討すべきだと考えています。
また、高齢者、障がいのある方、ひとり親世帯、住民税非課税世帯など、熱中症の危険性や経済的負担が特に大きい世帯については、助成額を上乗せすることも提案しました。
さらに、買い替えだけでなく、新規設置や設置工事費、故障時の修理費なども支援の対象にする必要があると考えています。
市は「先進事例を調査研究する」と答弁
こうした提案に対し、市は、東京都の東京ゼロエミポイントを含め、自治体の先進的な取り組みを調査研究し、草加市に適した持続可能な取り組みを検討すると答弁しました。
また、特に支援を必要とする世帯への助成額の上乗せや、新規設置・修理費への支援については、福祉部門を含む関係部署と連携して検討する必要があるとの認識が示されました。
ただし、今回の答弁で新たな制度の導入が決まったわけではありません。
財源や対象者、支援内容などについて、今後さらに検討が必要です。
エアコンを使えることが、当たり前の社会に
省エネ性能の高いエアコンへの買い替えは、電気代の節約や二酸化炭素の排出削減にもつながります。
そうした環境面の効果も大切です。
しかし、私が特に重視しているのは、暑さから市民の命を守るという視点です。
エアコンが必要なのに、購入費用を用意できない。
故障しても、修理や買い替えができない。
そのような状況を、できる限り減らしていく必要があると考えています。
エアコンの購入を支援することは、単なる家電製品への補助ではありません。
猛暑の中でも、安心して暮らせる環境を整えるための支援です。
2027年度の省エネ基準の引き上げも見据えながら、必要な方が無理なくエアコンを購入・設置できる制度を、これからも求めていきたいと思います。


